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蜜との遭遇

蜜豆を拾った時のこと。

これにはちょっとしたエピソードがあり、

実はあの猫、今でこそ伸う伸うと我が家に居座っているが、

私たちよりも先に1度別の人に拾われている。

その実情が、より私に「縁」を感じさせる結果となった。

 

 

 

その日もいつものように真っ直ぐ帰宅し、

マンションの駐輪場に自転車を停めようとしていた。

すると、どこからか機械音とも楽器音とも取れるような泣き声が聞こえる。

猫だ。

声は潰れているが、仔猫だと思った。

自転車を停めて声のする方へ歩を進めると

その声は途切れてしまった。

そのままあっさり引き返し、マンションの階段を昇り玄関を開け、

新にただいまを言って部屋着に着替えようとした時だった。

ベランダに面した寝室で上着を脱いでいると

住宅街特有の生活音に混ざって仔猫の声が鼓膜を震わせた。

4階に位置するこの部屋で、はっきりと聞こえるその声は

数メートル離れた裏の神社からだった。

パーカーに袖を通しながら「仔猫の泣き声がするよ」と

新に伝えると、彼女は「え!どこどこ?」と言って料理の手を止めた。

数日前、白玉と別居生活を強いられている黒豆があまりに退屈そうなので

「どこかに仔猫落ちてないかな?メス限定で。笑」と言う新の冗談に

「三毛がいいね、三毛猫!」なんて便乗したことが思い出された。

 

 

 

「見に行ってみよう!」

新が興奮気味に言ったけれど、

見てしまうと拾わずにはいられないことが分かっていたので

「行かない」と答えた。

私の『行かない』が『拾わない』という意味だと瞬時に判断した新は、

「頼、これはもう運命としか思えないよ!絶対女の子だよ!」と言った。

「オスだったらどうするの?」

「とりあえずちょっと見に行ってくる!」

『ちょっと見に行ってくる』のにどうしてバスタオルが必要なのか。

「って、おい!拾う気まんまんやんか!笑」

「オスなら拾わない。でも大丈夫、きっとメスだから!」

そう言って新は勢いよく部屋を出て行った。

 

 

 

バスタオルと懐中電灯を持って出たまま、

何分経っても新は戻って来なかった。

見つからないのか、仔猫ではなかったのか。

落ち着かずそわそわしていると、彼女から一通のメールが届く。

 

 

『近所の人が何人か様子を見に来てる。

 私はその様子を隠れて見てます。』

 

 

メールを読み終えた瞬間、今度は電話が鳴った。

「今ね、仔猫が歩道まで出て来てたんだけど

 車で通りがかった女の人が『可愛い!連れて帰ろう!』って言って

 車に乗せてっちゃった」

「どんな子だった?」

「暗くて分からなかった」

「そう・・でも良かったじゃない」

「あーあ・・・」

「早く戻っておいで。笑」

そう言って私たちは電話を切った。

 

 

(続く)

 

 

*********************************************************************************


Nakisou

うちに連れて来た直後。

誰ですか、このいたいけな子は。

おどおどしていて表情も強張っています。

 

 

Futekoi

現在。

ふてぶてしいですねー。

 

 


写真だけのインスタント日記が続きそうなので

冷凍保存(書き溜め)しておいたテキストを3話くらいに分けて

小出しにすることを思いつきました。

お蔵入りを免れた上、『続く』ことによってアクセスを煽るという

大人の策略です、まさに一石二鳥。

自分のIQの高さには我ながら感心します。

とはいえ『神社で猫を拾った』というだけの内容を

イースト菌で100倍くらいに膨らませているので(※もちろん実話ですが)

読む人によっては絶望的に退屈な仕様となっております。悪しからず。

あわよくば、続きを気にしてもらえると嬉しいです。

 

 

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書き散らし」カテゴリの記事

コメント

わぁ・・・。
運命を感じる・・・。

ちょっと、感動した。 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`)

投稿: Nana | 2012年1月12日 (木) 22時36分

続き、凄く気になります。
>>続きを読む、をクリックすれば続きが読めるんじゃないと
微かに期待してましたがダメでした…

投稿: ぽん | 2012年1月12日 (木) 22時46分

初めまして。

猫ちゃん、可愛いですねー><
捨て猫ちゃん見たら最後、
拾わずにはいられない・・だから、私もあんまり見にいかないようにしてますが、それでも見に行ってしまったら。。もう運命ですよね。
我が家の猫もそうだったので当時を思い出しました。

続き、楽しみにしてま~す!

投稿: monaka | 2012年1月13日 (金) 00時11分

まんまと頼さんの策略にはめられてます。
続き・・・き、気になる。

一枚目と二枚目の表情の差が頼新家の居心地の良さを物語っていますね。

投稿: とも | 2012年1月13日 (金) 11時55分

未知との遭遇ならぬ・・・

めちゃめちゃ気になります、続き!

それにしても、無事に新ちゃんさん、頼さんたちに拾ってもらって本当に良かった、蜜ちゃん。
チビチビの頃の白玉くんを思い出しました。

投稿: シータの彼女 | 2012年1月13日 (金) 16時39分

蜜姫、短い期間にいろいろと緩みましたねぇ(笑)
どのにゃんもいい顔をしてるのはお二人が心をかけて
おられるからなんでしょうね。
あっ頼さんのカメラテクもありますかね。

蜜との遭遇2の白玉パンは相変わらずおいしそうですね。
がぶっといきたいです。

投稿: こそっと | 2012年1月14日 (土) 01時54分

>Nanaさん
感動のフィナーレまでに、
ハンカチのご用意を!

>ぽんさん
嬉しいです、有難うございます。
思わせぶりな行動は私の得意技なんです、
すみません。

>monakaさん
初めまして。
タヌキ柄、シャチ柄、三毛柄、
どれがお好みでしょう?
猫ちゃん飼っていらっしゃるんですね。
あんな声で泣かれては、放っておけないですものね。
あわわ・・有難うございます。

>ともさん
そんな声が聞けるなんて思いもしませんでした。
猫ってこんなに顔つきが変わるものなんだと
自分でもびっくりしましたよ。

>シータさんの彼女さん
あわわ!有難うございます。
私たちの方こそ、拾って良かったと思わされています。
猫を拾う癖がついたのは白玉のせいですね。笑

>こそっとさん
緩みましたね、態度とか態度とか、態度とか。
カメラと被写体が良いので、
腕はあまり要らないのです。笑
パンはがぶっといった後、ぶん殴られること請け合いですね、
私がいつもそうなので。


投稿: 頼 | 2012年1月15日 (日) 19時35分

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