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脅威の遺伝子

左手の指輪を外して、家を出た。

約束の時間には余裕で間に合う。

「服、おかしくない?」

新は出掛ける前に必ず私に聞く。

おかしいと言ったら怒るくせに。

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父と母の誕生日を祝うべく、新を連れて食事に出掛けた。

3人だと説教染みた話題に偏ってしまうから

新が居ると場が和らいで助かる。

母「ごめんね、おばちゃんばっかりしゃべってしまって」

新「いいえ。笑」

今さら何を言っているのだ。

いつもの様に母が一人で話し続け、

私と父は適当に相槌を打つ。

とても仲の良かった母の唯一の友人が最近亡くなり、

世間話や仕事なんかの愚痴を誰にも聞いてもらえないと寂しげな様子。

友達が少ないところだけは、母に似てしまった。

父「父さんでは役不足だからお前、時々話相手になってやってよ」

新「そういう話は女同士の方がいいもんね」

父「そうだよ」

頼「同じ女でも私と母さんは違いすぎて話にならない」

母「うんうん、確かに」

頼「・・・」

母「じゃあ新ちゃん、聞いてくれる?」

新「わ、私!?」

父「ははは」

このおばちゃん、何を言い出すのか。

新が困っているではないか。

 

 

2人ともあんまり楽しそうだから、

会社のことを言い出せなかった。

まあいいか。

どうせ心配かけるだけだし。

指輪を外すと左手に違和感がある。

 

 

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書き散らし」カテゴリの記事

コメント

一瞬デジャヴかと思いました。
緑から赤になったのですね。
似合ってるよ、新ちゃん!

投稿: 直 | 2010年3月15日 (月) 04時18分

ハイ(*゚▽゚)ノ似合ってますね!
ぽよんとした表情もいいですね〜。

投稿: ひつじ | 2010年3月16日 (火) 19時54分

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