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お局と呼ばないで

「忘年会の店はどうする?」

先輩方が輪になって話をしている。

残すところ1週間で仕事納めだというのだから驚く。

厳密にいうところ、4日しかない。

「早いなー」

ぼんやりと独りごちていたら背中に視線を感じた。

「今年は頼さんが居るんだった・・・」

「じゃあ飲み放題のある店で」

そんな決定の仕方で良いのかと思ったけれど

賢い選択だと思い、口を挟まなかった。

 

先月から取り組んでいた仕事が上手くいき、

社長が大袈裟なほどに喜んでくれた。

それがきっかけなのかは分からないが

少しずつ単独で仕事を任せられるようになり

年明けからは大きい仕事を受け持つことになった。

『経験者』として迎えられたわけだから、初めから容赦はなかったものの

こんな未熟者で勤まるのだろうかと思う。

コンプライアンスの意味すら理解していない私に。

 

ラフスケッチを先輩に覗き見され、大笑いされてしまった。

「『オムライス食べたい』だって。笑」

「こっちには白玉ちゃんの絵が描いてあるよ」

「1匹、2匹・・・何匹描くねん!」

「脳内だだ洩れやんか」

「脱線しすぎー。笑」

自分で自分が不安だ。

 

新しい担当者との初めての打ち合わせの際、

彼は名刺の無い私に驚いたと同時に、不安気な視線を向けた。

「彼女はまだ試用期間中でして、名刺も無い新人ですが

 任せていただいて大丈夫です」

社長の期待を裏切るわけにはいかない。

案を練っているふりをしてうたた寝をしている場合ではない。

やるしかないのだ。

 

自分が試用期間中だということを思い出す。

初心忘れるべからず。

雑用だって率先してします。

それにしても汚い給湯室だな。

遠慮していたけれど、もう我慢ができない。

水まわりの汚れはよろしくありませんぞ。

タオルとシンクを洗い、ゴミを片付ける。

頼「食器洗い用の新しいスポンジを買ったのでコップ専用にします。

  古いスポンジは弁当箱用でお願いします」

先「・・・はい」

頼「コップ用で弁当箱を洗わないでくださいよ!」

先「お局だ。お局がいる・・・」

試用期間中にお局と呼ばれてしまった。

「頼さんは家でもそんな風なの?」

「いえ、家では口数が少ないかもしれません」

「家でも、でしょう?笑」

家にはもっと恐ろしいお局が居ますよ。

 

寡黙なはずの私は、新を相手に顎が疲れるくらい話しをした。

今週に入ってようやく、ゆっくり二人で夕飯を食べた気がする。

気付けばもう週末。

新も怒濤のごとく話した。

やはり、一緒に食卓につくのは良い。

新「明日は何をしようか」

頼「スケート行こうよ!」

新「滑れないから嫌だ」

頼「ひっぱってあげるし、それに・・・堂々と手をつなげるよ!」

新は興味が無いといった風にコタツに横になった。

手なら、いつも繋いでいるとでも言いたいのだろう。

それとも、彼女の方からつないでもらえるかもしれないという下心を

見透かされたのだろうか。

頼「行こうよ」

新「真央ちゃんみたいに滑れる?」

あほう。

 

 

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コメント

頼さんのトリプルアクセル、私も見たいです。

投稿: みち | 2008年12月20日 (土) 22時19分

荒川静香ばりのイナバウワーが出来るって!??
それは私も見たいです!!

投稿: 直 | 2008年12月21日 (日) 07時17分

>みちさん
できんというのに・・・

>直さん
何情報ですかね、それ。

投稿: 頼 | 2008年12月24日 (水) 23時23分

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